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第10回:「主語」~防災マニュアルの落とし穴 |
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こんにちは。ぼくはトドのようせいのくにのおうじさま、トドメガネだよ!
ちょっとまっててね。
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今回はね、「防災マニュアルの『落とし穴』」というテーマで話をするよ。 |
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防災マニュアルで抜け落ちがちな「主語」 |
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「Aさんは、うんこをします」という文章がある場合、「Aさん」が主語だよね。
ゴリィ「例えが悪いっ!」(バシッ!)
防災マニュアルにも、もちろん「Aさんは、避難誘導します」などといった形で、「誰が、何をする」というのをハッキリ書くのが自然なんだけど、これは防災マニュアルに限った話じゃないかもしれないけど、「何をする」は書いてあっても「誰が」が抜け落ちていることってけっこうあるんだ。
この「誰が」、つまり主語が抜け落ちているとお見合いみたいになって誰も何もしなくなってしまうんだ。 |
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「主語」を「保つ」のは意外に難しい |
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よくある話だけど、防災マニュアルに「後藤さんは、緊急地震速報を受信したらすぐに大声で『机の下に隠れて』と言う」という記載があったとするね。じゃあ、もし後藤さんが異動や退職してしまった場合、すぐに書き換えているかな?というと案外そのまま放置されているケースが多いんだ。
だから、個人名よりも「役職名や業務担当名」で記述した方がいいんだ。手直しする手間は省けるよ。ただ、交代で着任した人が防災マニュアルを読んでおかないことには意味がないんだけどね。
ただ、「役職名」や「業務担当名」で記載するのも落とし穴はあって、例えばその業務担当の仕事そのものがなくなってしまったり、部署再編で役職名が変わることもあるよね。「総務課」が「総務人事課」に変わった場合、「総務課長は」が「総務人事課長は」に書き変わらないといけないんだ。
これは何も防災マニュアルに限った話ではなくて、普通のお仕事のマニュアルでもそうなんだけど、組織図に合わせてマニュアル類は組織変更があった直後だけでなく定期的に見直してアップデートすることが必要だよ。 |
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放置すると法に触れる場合も |
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防災マニュアルは社内のものだからまだいいんだけど、この変更をしないままでしておくと「法に触れる」可能性が出てくるものがあるんだ。
それが、「消防計画」なんだ。「消防計画」も防災マニュアルのひとつとして考えた方がいいね。
消防計画が何かは今回は詳しく触れないけど(それだけで1回分使う)、「消防法」では、「消防計画に変更が生じた場合には遅滞なく消防計画の変更を届け出る」という規定があるんだ。
厄介なのが、この「消防計画」の中に「担当」を届け出る項目があるんだ(くわしくは省略)。もし、そこに「人の名前」を当てはめていたらその人の異動・退職があった場合には組織から外れるから名前を書き換えて届けなければならないよ。そして、もし「部署」を当てはめていた場合も部署の統廃合や部署名が変更された場合にやっぱり名称を書き換えて届け出なければならないよ。 |
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「マニュアル」は定期的に見直す |
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防災マニュアルに限らず、お仕事のマニュアルも含めて、時が経つにつれて実態とかけ離れちゃうことが多いんだ。今回あげた「主語(誰が)」ももちろんそうだけど、「述語(何をする)」だって実際の仕事はより良い方法に常にアップデートされていっているはず。
多少後追いになってもいいから、「誰が、何をする」といったことは時々点検して、実態とズレが生じていたらマニュアルの方もアップデートしてってね!
防災だったら防災関係の責任者と、実務を担当する担当者がそれをすることになるね!ほら、ここもちゃんと主語を書いたよ! |
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おまけ(いつものトドメガネに戻ります) |
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トドメガネ「そういえばゴリィはかいしゃやめるまえぼうさいマニュアルかいてたんでしょ?」
ゴリィ「うん、消防計画も作ったし、防災マニュアルもほぼ完成し、役員決裁をもらう手前で退職したんだ。」
トドメガネ「なんでそんなタイミングで?」
ゴリィ「だってしょうがないじゃないか。病気が悪化したんだから。」
トドメガネ「おきまりのえなりかずきだね。でも、ゴリィがいろいろやるのはしゅうしょくごだね!」
ゴリィ「働いとるわっ!契約社員だけど!」
トドメガネ「じゃ、まったねー!バイバイ!」 |