自称「日本一防災を親しみやすく紹介できる」防災アドバイザー

  第18回:「被害想定」を正しく理解しよう!
 
こんにちは。ぼくはトドのようせいのくにのおうじさま、トドメガネだよ!


ちょっとまっててね。
・・・

改めてあけましておめでとうございます。今年もよろしくね。今回は、先日内閣府から発表された「千島海溝・日本海溝での巨大地震の被害想定」についてだよ。
   
  まずはどんなものか知ろう。
 
今回はね、「ウェザーニュース」のあいりん(山岸愛梨キャスター)と山口さんがわかりやすく解説しているから、手っ取り早くその動画を見てみてね!10分くらいのだから。
   
(ウェザーニュースより引用)
   
  「死者約20万人」のカラクリは「悪条件」と「行動」
 
動画の中で触れていたけど、「死者20万人」には「悪条件の重なり」という前提があるんだ。具体的には次の通りだったね。
①冬:積雪や路面凍結で避難がしづらくなる(時間がかかる)
②深夜:寝ている人が多いので避難開始が遅れる
そして・・・
③みんなが積極的に避難しようとしなかった
最後はぼくたちの行動の問題だから、ぼくたちで変えることができるよね!それだけでもだいぶ数字は違ってくるはずだよ。
   
  「数字のひとり歩き」がいちばん怖い
 
動画でも話していたけど、数字の前提を知らずに「死者20万人」という「数字」だけがひとり歩きしてしまうのがいちばん怖いよね!
想定の地震がそもそも実際に起きるかは分からないし(小さい規模で数回に分かれる、ってことも)、起きたとして「冬の深夜」という最悪のタイミングになる可能性もそこまで高くないし、ましてや避難行動は自分たちできちんととればいい話
こういう「仮定」の数字をみるときには、「どういう条件を想定してその数字を出したのか」というところをきちんと押さえてね!
     
    「首都直下地震」の被害想定にも「前提」がある
   
ところで、「首都直下地震」の被害想定もさまざまな条件が設定されているんだ。
分かりやすいところでは、こんな感じ。
①発生する季節は冬(暖房を使う)
②発生時間帯は夕方(調理で火を使う)
③風が強い(火災が延焼しやすい)
④建物の耐震化が進んでいない(建物が倒壊しやすいので道を塞ぐ)
     
    「被害想定」の「前提」を知ると「災害の注意点」が分かる
   
実は、被害想定で使われている「前提」を見ると、「災害の注意点」がわかるんだ。上の例でいくと・・・
①日本海溝の地震
最悪のシナリオは「冬・深夜・避難行動」だったね。つまりこれは「津波被害」のことをいっているとわかるね。他の被害がないわけではないけれど、この地震では津波に一番気をつけないといけないんだ。津波への備えを重点的に考えればいいということだよ。
②首都直下地震
最悪のシナリオは「冬の夕方、強風、耐震化されていない」だったね。つまりこれは「大規模火災」のこと。大規模火災をいかに免れるかを重点的に考えればいいということだよ。

「被害想定」もうまく使えばいろいろな読み解き方ができるよ。でも、最初の揺れで生き残れなかったらその先はないから、「落ちてくるもの・倒れてくるもので命を落とさない」は大前提だよ!
   
  おまけ(いつものトドメガネに戻ります)
 
トドメガネ「ねぇゴリィ、なんでどうがで『ひがしにほんだいしんさい』っていわなかったの?」
ゴリィ「地震だけなら『平成23年東北地方太平洋沖地震』という名前がついているんだ。そこに『原発事故』が加わって『東日本大震災』という呼び方をしているんだ。地震と原発事故は切り離せない問題だからね。」

トドメガネ「そうなんだ。あおもりとかほっかいどうにもげんぱつがあるよね。」
ゴリィ「・・・あまりこのへんの話はしないでおこう。事故を起こさないことが絶対条件だけどね。」

トドメガネ「ゴリィってげんぱつのはなしになるととたんににげるよね。
ゴリィ「賛成も反対もできないから。両方の意見もわかるから、板挟みにはなりたくないんだ。だから全速力で逃げる(笑)。」


トドメガネ「どうせおいつかれるよ!じゃあ、ことしもよろしくねー!
 
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